昭和初期の自動木ねじ製造機
先日見学に行った機械要素技術展で、昭和初期の自動木ねじ製造機が展示されていました。ねじの製造は今はもう転造が当たり前のようですが、この頃は切削によって作られていたそうです。 ねじ製造機に限らず、昔はあらゆる機械がこのような一つの動力から全てを動かす「カム機構」で作られていました。このため、組み立てと調整には長年の経験に裏付けられた職人の技術が必要だったのです。しかし、私がものづくりの世界に入って間もないころから、サーボモーターと直交ステージを使った機構がよく使われるようになりました。この方式は、プログラミングによってタイミングや位置が調整できるため、製造効率も良いし動作の変更も簡単なのですが、そのために、職人的技術を持った人たちがかなり少なくなってしまったように思います。しかし、これからの日本のものづくりには、このような職人的技術から作られる感性価値の高い製品が求められていくのではないでしょうか。先人の知恵と工夫が見直されるときが来ているのだと私は思っています。 ※動画は許可を得た上で掲載しています。